英国に行く途中、ウラルを越えた辺りで北極の方角に明るい星を見つけた。たぶん金星じゃないかと思うが、北極にあまりにも近すぎて「方角」の概念がよくわからなくなり、困惑した。どうなんだろう? いちおう「夕方」だと思うのだが...もしかすると「朝焼け」なのかもしれない。だとすると、あの右横にアイソン彗星があるはずなのだが...とはいえ、土星はみえなかったので、やっぱり金星か?
2013年11月24日日曜日
2013年11月20日水曜日
EOS Mを試す
先ほどの設定を行ってから、EOS Mの性能を試すべく金星の観測をさっそく行った。大型の望遠鏡を出す時間が無かったので、手近のKenko反射望遠鏡(口径11cm)にCelestron Zoom eyepieceを取り付け、そこにD-ring、およびEOS-Mレンズ変換アダプターを介してEOS Mを接続した。
EOS Mの液晶が丁度いい具合にLive view的なモニターとなって撮影は快調に進んだ。実に見やすい!しかし、モニターの映像と実際の画像には差が生じるので、そこは微調整が必要。ビデオ撮影もすることができた。
撮影した写真を拡大し、いろいろ色合いなどを調整したものがこれ。
色収差がある!反射望遠鏡なのに。これは接眼レンズのせいなんだろうか?まあ、それは仕方ないとして、金星が半月状になっている様子が確認できる。なんとなく、金星の球形の感じも出ているような気がする.大気は結構揺らいでいたが、金星の大きさが随分増してきたので、撮影してもなんとか形を維持できているようだ。
これは木星や土星の観測には使えそうだ。次は星雲や彗星などに試してみよう。とにかく軽いので、望遠鏡につけて観測するにはとても使いやすいと思った。
EOS Mの液晶が丁度いい具合にLive view的なモニターとなって撮影は快調に進んだ。実に見やすい!しかし、モニターの映像と実際の画像には差が生じるので、そこは微調整が必要。ビデオ撮影もすることができた。
撮影した写真を拡大し、いろいろ色合いなどを調整したものがこれ。
右上の計算は「つるちゃんのプラネタリウム」より。 大気による「像の揺らぎ」がちょっと大きめな感じ... |
これは木星や土星の観測には使えそうだ。次は星雲や彗星などに試してみよう。とにかく軽いので、望遠鏡につけて観測するにはとても使いやすいと思った。
Canon EOS Mでの撮影
Canonが出したミラーレスカメラ EOS Mを天体撮影に試してみようと思っている。
発売直後はオートフォーカスの反応が鈍く、批判的な批評が多かったようだが、ファームウェアのアップデート(Ver.2.02)が公開されて少しは改善されたようだ。SDカードにファームウェアをダウンロードしてカメラに挿入し、説明書の指示に従えば書き換えできる。実際やってみたが、まあまあの改善。しかし、結局はマニュアルフォーカスで撮影することが多いので、私にとってはあまり重要なことではない。
むしろ大きな問題として立ちはだかったのが、レンズ無しでシャッターが切れない、という問題だ。大型の反射望遠鏡にD-ringをつかってEOS Mを取り付け、金星の撮影を試みたのだが、なんとシャッターが下りないのだ。ピントは合っているのに。
よくよく接続部を観察すると、何やら端子らしき金属がたくさん付いているのがわかった。レンズ側の接続部にも同じ数だけ端子がついている。どうやらこの端子をつかってレンズの有無をチェックしているらしい。レンズがないとシャッターが下りないような設定になっているということだ。
これでは、CelestronのZoom eyepieceを噛ませて、望遠鏡をレンズ代わりにした拡大撮影などが実行できないことになる。前回の観測では苦労してピント合わせした金星の半円形を記録しそこなってしまった。
じつはEOS Mでの撮影にこだわるのは、その重量が軽いからだ。赤道儀に重い一眼レフカメラを取り付けるとバランスがとり難いこともあるし、ネジが弱まった古い赤道儀では、カメラの重量のせいで望遠鏡全体がずるずる動いてしまって天体が視野から外れてしまうのだ。軽いEOS Mならば、なんとかネジで望遠鏡が固定でき、撮影までもっていけるというわけだ。
前回の観測ではあきらめたが、いろいろネットで調べてみると、どうやらこの問題は回避できそうなことが判ったので、さっそく試してみた。まずは、メニューボタンを押し、「カメラ設定の内容」というセクションに行く。ここに「カスタム機能」という欄があるので、それを選択する。このモードの7番のセクションに「レンズ無しレリーズ」というのがあるので、デフォルト0番「しない」から1番「する」に変更する。撮影モードをマニュアル撮影にすると、レンズ無しでもシャッターが切れるようになった!(シーンインテリジェントオートのモードではこの設定変更をしてもシャッターは切れない。)ちなみに、ビデオモードでも記録できるから、惑星観測ならこちらの方が良いのかもしれない。
さて、この設定で今度こそは金星の拡大写真/映像がとれるだろうか?ぜひ試してみたい。(追記:撮ってみた。)
発売直後はオートフォーカスの反応が鈍く、批判的な批評が多かったようだが、ファームウェアのアップデート(Ver.2.02)が公開されて少しは改善されたようだ。SDカードにファームウェアをダウンロードしてカメラに挿入し、説明書の指示に従えば書き換えできる。実際やってみたが、まあまあの改善。しかし、結局はマニュアルフォーカスで撮影することが多いので、私にとってはあまり重要なことではない。
むしろ大きな問題として立ちはだかったのが、レンズ無しでシャッターが切れない、という問題だ。大型の反射望遠鏡にD-ringをつかってEOS Mを取り付け、金星の撮影を試みたのだが、なんとシャッターが下りないのだ。ピントは合っているのに。
よくよく接続部を観察すると、何やら端子らしき金属がたくさん付いているのがわかった。レンズ側の接続部にも同じ数だけ端子がついている。どうやらこの端子をつかってレンズの有無をチェックしているらしい。レンズがないとシャッターが下りないような設定になっているということだ。
これでは、CelestronのZoom eyepieceを噛ませて、望遠鏡をレンズ代わりにした拡大撮影などが実行できないことになる。前回の観測では苦労してピント合わせした金星の半円形を記録しそこなってしまった。
じつはEOS Mでの撮影にこだわるのは、その重量が軽いからだ。赤道儀に重い一眼レフカメラを取り付けるとバランスがとり難いこともあるし、ネジが弱まった古い赤道儀では、カメラの重量のせいで望遠鏡全体がずるずる動いてしまって天体が視野から外れてしまうのだ。軽いEOS Mならば、なんとかネジで望遠鏡が固定でき、撮影までもっていけるというわけだ。
前回の観測ではあきらめたが、いろいろネットで調べてみると、どうやらこの問題は回避できそうなことが判ったので、さっそく試してみた。まずは、メニューボタンを押し、「カメラ設定の内容」というセクションに行く。ここに「カスタム機能」という欄があるので、それを選択する。このモードの7番のセクションに「レンズ無しレリーズ」というのがあるので、デフォルト0番「しない」から1番「する」に変更する。撮影モードをマニュアル撮影にすると、レンズ無しでもシャッターが切れるようになった!(シーンインテリジェントオートのモードではこの設定変更をしてもシャッターは切れない。)ちなみに、ビデオモードでも記録できるから、惑星観測ならこちらの方が良いのかもしれない。
さて、この設定で今度こそは金星の拡大写真/映像がとれるだろうか?ぜひ試してみたい。(追記:撮ってみた。)
2013年11月18日月曜日
しし座流星群?
18日の深夜、ラブジョイ彗星を狙って満月の光の中で観測をしていた。まずはアルビレオの分解で焦点を合わせようと思い、ハクチョウ座にカメラをしばらく向けていた。すると、パパッと流星が5、6個一斉に流れた。最初のものなどは、北の地平線すれすれに緑がかった透明な金属色を1秒近く輝かせてから、ゆっくりと消えていった。
アルビレオの写真に流星が2つも写っているものがあるので、ここに記録しておこう.夏にふたご座流星群を狙った時はまったく写らなかったのに、こんなに簡単に写るとはかなり明るい流星だったんだろう。しかも今日は満月だ!
そういえば、前の晩もしし座をバックに、長ーい流星が真上から地上に向けて、すーっとほぼ垂直に流れ落ちた。赤っぽい流星で、消える際にはチラチラと点滅し燃え尽きる感じが見えた。しし座の広がり程度の長さに渡って流れたと思う。今まで見た中で、もっとも長い見事な流星だった。
あれもこれも、しし座流星群だったと今更ながら気付いた次第。ラブジョイ彗星の撮影が失敗したけれど、いいものを見せてもらった。ありがとう。
満月だから最悪の条件、と下馬評は悪かったのにも関わらず、ものすごい綺麗だった。これからは満月でも馬鹿にしない方がよいと思ったのであった。
アルビレオの写真に流星が2つも写っているものがあるので、ここに記録しておこう.夏にふたご座流星群を狙った時はまったく写らなかったのに、こんなに簡単に写るとはかなり明るい流星だったんだろう。しかも今日は満月だ!
iso3200 (4sec), CD-1自動追尾 |
あれもこれも、しし座流星群だったと今更ながら気付いた次第。ラブジョイ彗星の撮影が失敗したけれど、いいものを見せてもらった。ありがとう。
満月だから最悪の条件、と下馬評は悪かったのにも関わらず、ものすごい綺麗だった。これからは満月でも馬鹿にしない方がよいと思ったのであった。
アルビレオに焦点を合わせる
2013年11月17日日曜日
木星の固有運動
木星は惑星だから、恒星に対して動いているはずなのだが、肉眼で見てもその「動き」はわからない。そこで、ある程度時間間隔をとって定期的に位置の記録をつけると、惑星の運動は認識できる。実際、古代文明ではそうやって惑星と恒星とを区別した。
とはいえ、惑星の位置を正確に記録するのは案外大変なことだ。肉眼ならなおさらだ。現代ではデジカメとPCを使えば、古代人と同じことをかなり正確に、かつ効率的に行うことが可能だ。その結果はもちろん、古代人はすでに知っていた訳だから、とりわけ新しい発見ということにはなり得ない(むしろ「当たり前」のこと)。しかし、自分の手で「惑星の運動」を感じるのは案外楽しい。
今回は木星の運動を記録してみた。Nov. 12の深夜の位置と、昨晩の位置とを比較している。gimpで比較明合成をした二枚の写真を、回転させて恒星が一致するように重ね合わせている。すると木星の位置だけが「ずれる」ので、その運動が確認できる。
しかし、写真の回転を手作業でやるのは案外大変だった。なんとかうまく自動的に回転角度が割り出せるようにできないものか。
とはいえ、惑星の位置を正確に記録するのは案外大変なことだ。肉眼ならなおさらだ。現代ではデジカメとPCを使えば、古代人と同じことをかなり正確に、かつ効率的に行うことが可能だ。その結果はもちろん、古代人はすでに知っていた訳だから、とりわけ新しい発見ということにはなり得ない(むしろ「当たり前」のこと)。しかし、自分の手で「惑星の運動」を感じるのは案外楽しい。
今回は木星の運動を記録してみた。Nov. 12の深夜の位置と、昨晩の位置とを比較している。gimpで比較明合成をした二枚の写真を、回転させて恒星が一致するように重ね合わせている。すると木星の位置だけが「ずれる」ので、その運動が確認できる。
しかし、写真の回転を手作業でやるのは案外大変だった。なんとかうまく自動的に回転角度が割り出せるようにできないものか。
木星の運動の研究(途中経過) |
太陽黒点の観測:アイソン彗星観測失敗後の快晴にて
朝4:30に目覚めた。アイソン彗星を観測するなら今朝は勝負だと思った。これでようやく、長く伸びた尾を拝めると期待を胸に外へ出る。おーっ、しし座が見える!と感動したのも束の間、何かがおかしい。
満月に近い月は西の空に傾きボンヤリと光って、「幻想的」な風景が広がっている。幻想的?!よくよく目を凝らしてみると、辺り一面霧に覆われているではないか!それでも星座がよく見えるということは、天空は快晴にもかかわらず、地表面に近いところだけに薄い靄がかかっているということだ。
霧のせいで空が白んでしまい、主な星は見えるものの細かい星空の分布がわからない。ラブジョイも、アイソンも、リニアもまったく位置が掴めない。iso6400で10秒も露出をかけると写真は真っ白になってしまった。バタバタしているうちに夜明けを迎えてしまった。
一寝入りして起きると、真っ青な空な広がっていた...神様に向かって「この野郎」と唾を吐きかけても自分の顔に落ちるばかりである。気持ちを入れ替えて、太陽黒点の観測を久しぶりにやってみることにした。望遠鏡を覗いて見ると、「おおっ!、結構大きいのがあるではないか!」。
結構面白いことになってきた。しばらくは、黒点観測を続けてみようと思う.
黒点数の数え方に関してはルールがあるんだと思うが、自己流で数えると今日は21個だった。
満月に近い月は西の空に傾きボンヤリと光って、「幻想的」な風景が広がっている。幻想的?!よくよく目を凝らしてみると、辺り一面霧に覆われているではないか!それでも星座がよく見えるということは、天空は快晴にもかかわらず、地表面に近いところだけに薄い靄がかかっているということだ。
霧のせいで空が白んでしまい、主な星は見えるものの細かい星空の分布がわからない。ラブジョイも、アイソンも、リニアもまったく位置が掴めない。iso6400で10秒も露出をかけると写真は真っ白になってしまった。バタバタしているうちに夜明けを迎えてしまった。
一寝入りして起きると、真っ青な空な広がっていた...神様に向かって「この野郎」と唾を吐きかけても自分の顔に落ちるばかりである。気持ちを入れ替えて、太陽黒点の観測を久しぶりにやってみることにした。望遠鏡を覗いて見ると、「おおっ!、結構大きいのがあるではないか!」。
生データ。iso200 (1/2000 sec). ND106フィルタ。 |
まだ回転軸の処理はしてないので、撮りっぱなしのデータ。とにかく、この半年見られなかったような大きな黒点もあるし、黒点数も半年ぶりのレベルだと思う。
南半球に小さな黒点がたくさん見えているので、それを強調するためにgimpで処理してみた。まずは脱色し、コントラストを調整する。小さな黒点がはっきり見えるようになったところで、最後にオレンジ色に彩色した。
gimpで画像処理したもの。 |
黒点数の数え方に関してはルールがあるんだと思うが、自己流で数えると今日は21個だった。
2013年11月16日土曜日
ガリレオ衛星の観測
彗星観測に備えて、装備の事前点検、そして極軸合わせなどの設定を行った。
最近「焦点を合わせる」ということの意味がようやくわかってきた。まずは肉眼で、できるかぎりピントを合わせる。次に撮影した映像を液晶に表示して、ズームアップする。最大ズームにしても点像が得られるかどうか確認し、そうでなければ勘を働かせながら微妙な調整を行う。再度液晶で焦点確認する。....という繰り返しを行い、焦点を収束させていくのだ。これが意外に時間がかかるので、時間との勝負(あるいは寒さや暑さ、湿気や雲との勝負)の天体観測の場合はあまり丁寧にやることができない。しかし、これを丁寧にやるかやらないかで、得られる写真の品質は雲泥の差になってしまう。
今晩の焦点合わせに利用したのが、木星の衛星(ガリレオ衛星)。衛星がキチンと点像になるまで焦点の微調整を繰り返す。すると、今まで不可能だと思っていた分解能が、焦点距離300mmの望遠レンズでも出せることが判明!驚いた。この晩のガニメデとカリストは、ほぼ重なるような位置にあったのだが、焦点をうまく合わせると見事に分解できた。
これ程の分解能があるならば、木星の衛星観測がもっと気楽にできるではないか!この冬は木星の観測もルーチンに入れてみよう。
最近「焦点を合わせる」ということの意味がようやくわかってきた。まずは肉眼で、できるかぎりピントを合わせる。次に撮影した映像を液晶に表示して、ズームアップする。最大ズームにしても点像が得られるかどうか確認し、そうでなければ勘を働かせながら微妙な調整を行う。再度液晶で焦点確認する。....という繰り返しを行い、焦点を収束させていくのだ。これが意外に時間がかかるので、時間との勝負(あるいは寒さや暑さ、湿気や雲との勝負)の天体観測の場合はあまり丁寧にやることができない。しかし、これを丁寧にやるかやらないかで、得られる写真の品質は雲泥の差になってしまう。
今晩の焦点合わせに利用したのが、木星の衛星(ガリレオ衛星)。衛星がキチンと点像になるまで焦点の微調整を繰り返す。すると、今まで不可能だと思っていた分解能が、焦点距離300mmの望遠レンズでも出せることが判明!驚いた。この晩のガニメデとカリストは、ほぼ重なるような位置にあったのだが、焦点をうまく合わせると見事に分解できた。
4つのガリレオ衛星。左側に二重星が写っていた。 アルビレオのように、赤い星と青い星の連星系のように見える。 (木星は現在ふたご座の中にある。) |
月齢13日の霜月の月
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