2014年10月26日日曜日

巨大黒点の観測

先週、久しぶりに黒点を観測したのだが、そのときは小さいのが2つあっただけで、特になにも記録することはないと思い油断してしまった。

今週になって「巨大な黒点が現わる」との報を受け、慌てて望遠鏡とカメラをセット。雲に覆われた午前中の空を恨めしく思いながら待った挙げ句、ようやく秋晴れとなったお昼過ぎに撮ることができた。

回転補正無し
レンズ越しに見たら大きいことは大きかったが、色が随分薄まって来た感じを受けた。画像処理してなんとか、報道で見たような規模に黒点群が広がっているのが確認できた。今年の正月に現れた肉眼黒点と比べると、だいたい2倍ほど大きいので、たしかに大きいとはいえるが。

2014年10月13日月曜日

月暈、日暈、そして幻日

連休直前の金曜日、渋滞する東京の道をなんとか突破して、関越道を北西に走って、信州に戻って来た。真夜中になっていて、月食直後のちょっと欠けた月が明るく光っていた。その周辺に大きな暈がかかっていた。月暈とか白虹とか呼ぶ現象らしい。
月暈
朧月じゃない本当の暈は初めて見たが、思っていたものよりずっと大きくて、驚いた。

翌日、今度は太陽の暈を見た。そしてその両脇には幻日と呼ばれる虹が確認できた!
幻日。大きすぎて一枚に納められなかった...

2014年9月28日日曜日

2014年のスーパームーン

今年は3回スーパームーンが観測できたそうで、巷で騒いでいた日(曇っていた日はその次の日の早朝なども含む)に月の写真を撮ってみた。曇っていたり、霞んでいた時もあったが、7月、8月そして9月の3度に渡り、幸運にもなんとか満月の記録を撮ることができた。この3つの満月を並べてみると、確かに目分量では大体同じような大きさに見える。それを今年の1月の満月、つまりマイクロムーンと比較することで、どの程度「スーパー」なのか比較してみた。

確かに大きい!実は、今月になるまで毎月(つまり1、2、3、4、5、6、7、8、9月)の満月(あるいはその前後の丸い月)の観測をずっと続けている。一年を通してどんな感じで大きさが変わって来たのか調べてみようと思っている。残り、10、11、12月と3回となった。なんとか全ての記録を揃えて、来年の正月には結果をまとめてみたい。

2014年9月26日金曜日

二日月

夕方、ふと西の山際を見ると、細ーーい月が今にも沈もうとしていた。初めて見た「二日月」だった(月齢1.9日)。慌てて、部屋に戻ってカメラを持って来たが、ファインダーを構えると、もうほとんど沈んでしまっていた。一枚切ってみたが、露出オーバーでまったく映らず。確認してから再度ファインダーを覗くと、もう月は沈んでしまっていた...

でも、肉眼では観測することができたので、嬉しい限り。

2014年9月21日日曜日

土星の輪の傾き:2014年9月

今年の夏は雲が多く、天候も不順で、観測の意欲が湧かない日が続いた。結局、火星の接近にも関わらず、その観測はやらなかったし、土星の観測も先延ばしにしてしまった。

夏が終わり、秋らしくなって、ようやく夕方の西の空に、宝石のような火星、土星、それにアンタレス(いま、火星とアンタレスの2つの赤い星は並んで輝いている!)が綺麗に見えるようなったので、やっと土星の観測をやろうという気になった。

しばらくぶりだったので、いろいろと手際の悪いことをやってしまったが、Celestron Zoom Eyepiece1.25"を利用して、拡大撮影をやってみた。撮影機はCanon EOS X5、iso6400, 1/40secに設定。ちょっと露出オーバー気味になった。以前のデータを振り返るとiso3200, 1/40secの映像がシャープに映っていたので、今晩晴れたら同じ条件で取り直してみたい。


随分と輪が傾いて来たような気がする。ここまでくれば、カッシーニの間隙がとれないのは、私の腕の悪さ(あるいは機材の能力の限界)としかいいようがない。

2014年2月3日月曜日

M41:シリウスのすぐ下

おおいぬ座に散開星団があるのを知った。M41、およそ2500光年だというから銀河系内だろうか?さっそく探してみるとすぐに見つかった。となりの三角形はおおいぬ座のπ関連の星々。三重星らしきものもあり、なかなか興味深い。

iso3200, 60sec (x5 with gimp)
極軸合わせ甘し...


SN2014J(in M82)の光度曲線: AAVSOのLCG

AAVSOのLCG(Light Curve Generator)に、M82の超新星爆発(SN2014J)の光度曲線が出ている。どうも節分がピークに相当していたよう。晴天だったのだが、頭痛がひどくて観測できなかった....残念至極。

天王星の観測情報

天体の自動導入装置を使わずに、なんとか天王星を観測しようと思う人は少数派なのかもしれない。しかし、高価な装置を使わず、自分の力だけで目指す天体をスポットできたときの喜びは大きい。

とはいえ、肉眼で見える惑星(土星より内側の惑星)と違って、天王星より遠い場所にある惑星の観測は骨が折れる。そこで観測した結果分析に役立つサイトをいくつか見つけたので、ここにメモっておこう。

まずは海王星の位置を赤経(right ascination)と赤緯(declination)を教えてくれるのが"The Sky Live"。実は海王星のみならず、太陽系の主要な天体や、超新星などの位置もわかる。また位置のみならず、ライブの天体映像も見せてくれる。

次が、詳細な星図を見せてくれるAAVSO(American Association of Variable Star Observers)のVSP(Variable Star Plotter)。The Sky Liveで得た赤経赤緯を使って、その周辺の詳細な星図を得ることができる。
天王星の位置する周辺の星図
例えば、現在の天王星が位置する周辺の星図を「双眼鏡レベル」で打ち出したのが上の図。8等級までの星が記されている。いつもは、うお座のδ星を起点に「三連星」などをたどって、三角形のところまで視野を移動し、そこで撮影を行う。この時点では天王星の位置は特定できないが、少しだけ周辺の星よりも明るく青く輝く星があるので、なんとなくそれが天王星だと察しはつく。

私がもっている光学システムで撮影すると、上の図よりも細かい星の構造、つまり等級の大きな(暗い)星も写る。そこで、星図のレベルを上げて、13等級までの星をプロットさせてみる。
最初の図の目印に使った三角形が大きくなり、さらに細かい星の分布が打ち出される。これがちょうど自分の写真のレベルと同じ程度なので、写真をみながら比較することができる。右側の円中の「三連星」が前回の観測で天王星の横に見えていた恒星だ。

ちなみに1月31日に観測した天王星らしき天体の記録。木の枝に重なってしまい、詳細な星図をもってしてもよくわからない...また以前目印に使った三連星も写ってないため、確信が持てない...

2014年2月1日土曜日

超新星爆発の比較写真

比較のため、超新星爆発の有/無の2つの画像をくっつけてみた。

M82のSN2014Jの観測

おおぐま座のM82に超新星爆発(SN2014J)が発生したという知らせを聞いて、さっそく観測を行ってみた。知らせを知ったのが遅れたのと、忙しくて数日動けなかったので、結局発生から10日後の観測となってしまった。

この日の空は快晴!しかも北斗七星は夕食後のいい時間に「垂直に」立ち上がってM81-M82を見るには絶好の季節。期待して撮影に向かったのだが、この日はどうしても極軸合わせがうまくいかない...苦しんだけれども、結局うまくいかなかったので、とりあえず記録だけでも残そうと、感度を上げてシャッタースピードを速くする方針に転換する。

SN2014J。iso12800, 30sec
久しぶりのM81-M82の観測で場所を探すのが大変だったけれど、いつもの二等辺三角形から左にスライド、明るめの恒星を視野の縁にかする感じでいれて...とやって、なんとか見つけ出した。一端銀河の位置がわかれば、超新星は案外あっさりとみつけることができた。夏のいるか座の新星と違って、銀河の中に見えているので同定しやすい。

2014年1月29日水曜日

M82に超新星現わる

北斗七星周辺にはたくさんの銀河があって観測しやすいが、その一つがM81-M82の銀河団だ。一週間程前に、M82でType Iaの超新星が現れたとの情報を遅ればせながら掴んだ。近いうちに観測したいと思う。

その前に、以前の観測データを掘り起こしておこう。2012年5月に撮影したもの。当然超新星はない。

全容が見え始めた大型黒点

地球側の表面に戻って来て2日目、大型黒点はついにその全容を明らかにし始めた。
以前の画像データと比べるとわかるが、ペアの黒点が大型黒点の右側に回り込んでいるのに気付く。また北半球にあった黒点対も生き延びているように見える。その大きさが本当に認識できるのは、明日以降となろう。

残念ながら明日は雨の予報となっている。GPVで見てみると、東京は正午にもしかしたら晴れるチャンスが訪れるかもしれないが、まあ慌てず、明後日の観測まで待つことにしてもいいだろう。

2014年1月28日火曜日

帰って来た肉眼黒点

一応自分で撮った画像データを貼っておこう。
東縁に再登場した「肉眼黒点」

"Old sunspot returns", as spaceweather.com reports!

Spaceweather.comの本日の記事によると、例の大型黒点AR1944は2週間の「裏側旅行」を経て、ついに再度表面に現れたようだ。今朝自分で撮った観測写真にもそれらしい黒点が写っていた!これで太陽の自転周期が27日であることが、自分自身の観測ではっきりと証明できた。連続観測万歳!

なお、太陽表面を一周して再度表面に戻って来た黒点は、慣習により再度番号を降り直されるそうだ。ひと月前にAR1944と名付けられた大型黒点だが、今後はAR1967と呼ばれることになるそうだ。

太陽の自転周期

太陽の自転周期は27日で、ついに昨日27日間連続観測に成功した(実は28日)。今日観測に成功すれば、14日に太陽表面の西縁に消えていった、あの「大型黒点」が再び表面に戻ってくるはずだ。とはいえ、黒点は拡散して消失する性質があるので、この14日間のあいだに、裏面で消失してしまった可能性もある。はたして、今日、明日の観測で、あの「大型黒点」と再会できるだろうか?

細い月の観測

百人一首を編集した鎌倉時代の貴族、藤原定家はその日記「明月記」に、細い月(繊月)について何度も書いている。どこまで細い月が見えるのか非常に興味があったようだ。

たしかに、ここ一ヶ月太陽黒点の観測を午前中に続けていると、月の位相が満月を越えた後は、午前中に下弦の白い月が、太陽の西横に見えるのに気付いた。
7:30am, Jan.24, 2014

太陽と月の間隔は日に日に接近して来て、昨日の朝には下弦の繊月を朝に見えた。調べてみると月齢26日弱ということなので、月の周期は約29日(朔望月)だから、この日見た繊月は−3あるいは「−4日月」ということになるだろう。

一日経った今日の朝、さらに細い月が見えるかと期待していた。黒点観測を終えて、太陽の右横を目を皿にして探したのだが、ついに見つけることができなかった(本日は月齢27日弱)。正方最大離隔に近づいて明るく輝いているはずの金星も近くにあったようだが、これも見えなかった。明るい空で、明るい天体を探すのは理論的には可能なんだろうが、これがなかなかチャレンジであることがわかったのは収穫だった。

明日の朝も太陽の真横にあるはずの繊月を狙ってみようと思う。

2014年1月16日木曜日

2014年のマイクロムーン(遠日点の月)

さきほどの木星の下に並んで光っていたのが、本日、望月を迎えた月。しかも見かけの大きさが今年最小の満月、いわゆる「マイクロムーン」だ。偶然、月の出直後に観測したため、真っ赤なマイクロムーンを観測することになった。まずは大きさの比較のための、いつものサイズの画像を。

これをスーパームーンと比較してはじめて、その「小ささ」が実感できる。昨日も書いたが、今年は運の良いことに元旦の新月が「スーパームーン」だったので、その数日後の三日月の地球照を利用して、どのくらいの差があるのか見積もってみよう。

風景写真もとってみたが、それは研究日誌モンテカルロの方に載せておこう。町の灯りよりも、月の方がずっと眩しいので、肉眼で見た印象のようにはなかなか撮影できない。が、露出時間の違う2枚の写真を合成して、なんとか印象に近いものを作ってみた。

さて、今年のスーパームーン(満月版)は、8月の上旬にやってくる。それまで、このデータは大切に保管されることになる。では、また夏に!

木星をEOS Mで観測する

口径20センチの反射望遠鏡にEOS-Mを取り付け、モニター代わりにして木星の観測を行った。残念ながら大赤斑は見えなかったが、追尾の素晴らしさを改めて感じたのであった。

いつもは時間がなくて、極軸合わせを適当にやってしまい、星の像が流れてしまう現象に悩まされるのだが、今日は北極星がうまい具合にスポットできたので、極軸を少しだけ丁寧に合わせてみることにした。追尾がうまくいくと、像が動かない....ただこれだけのことなのだが、本当にすばらしいことだと実感した。

追尾が失敗するとなかなか拡大撮影がやりにくいのだが、今日は簡単に実行することができた。まずはEOS-MをCelestron Zoom Eyepieceに接続し、これを反射望遠鏡に取り付ける。EOS-Mは普通の一眼レフより軽いので追尾装置のモーターに負荷がかかりにくいという利点がある。また液晶パネルはタッチパネルになっているので、操作もやりやすい。

ただ、せっかく拡大図をモニターできるのに、それをそのまま記録することができないという欠点がある。ぜひ、拡大したそのままの像を記録できるように改良してもらいたいものだ。

今日のところは仕方ないので、モニター自体を撮影することで記録とした。こんな感じになる。
EOS Mをモニターがわりにして、
それを更にEOS X4で撮影したもの。


2014年1月15日水曜日

マイクロムーン前夜

2014年のマイクロムーン(見かけの大きさが最小の月、遠日点の月)は明日1月16日の満月である。が、もしかすると曇ったりするかもしれないので、月齢13.7日、つまり満月の前日ではあるが、念のために記録しておくことにする。
マイクロムーン2014の前夜の月
拡大したものも載せておこう。危難の海が結構丸く見える。
拡大した「マイクロムーン前夜の月」Jan-15, 2014
今年の元旦は新月だったのだが、実は、新月の「スーパームーン」となっていたのだ。新月の観測は難しいので、1月4日の三日月を観測したものを使って、早速スーパームーンとマイクロムーンの大きさの比較をすることができる!地球照をうまく使えばよいのだ。

2014年のスーパームーン(新月もどき、右)とマイクロムーン(満月もどき、左)の比較。
前者は1月4日、後者は1月15日。gimpで比較明合成。
かなり大きさが違うのが、すでに確認できる。また(後で)数値計算して、いろいろ分析してみよう。

消えた大型黒点:雪の予報だったが...

雪の予報が出ていたし、朝から絨毯のような厚い黒雲に空は覆われていて、ついに今日で連続観測は終わるだろうと思っていたが、夕方日没前に空が急に晴れ渡り、お日様が顔を出したので、ついつい観測してしまった。

いつもの機材を用意してなかったので、有り合わせのものでとにかく撮影だけしてみた。ただ、高度が低く、電線や木の枝、建物などが太陽を遮ったので、高いビルに登ったり下りたりと、(寒波に震える人々を尻目に)汗だくになりながらなんとか撮影に漕ぎ着けた...

しかし、旧いカメラ(EOS kiss F)にはライブビューが付いてないため、ピント合わせに非常に苦しんだ。撮影してはモニターで拡大しピンぼけと知ってはボツ、といった作業を50枚も繰り返しただろうか? しかし、地平線に急速に傾いて沈んでいく太陽相手に、実はそんなことやっている時間はなく、とにかく黒点だけでも写ればよいから、という感じで満足せざるを得なかった。ということで、本日の結果はこのとおり。
夕日の赤さが際立つが、あの大型黒点(A群)はもちろん、A群の双極子パートナーに相当するA'群もすでに見えなくなっていた。元旦以来の、地味な太陽表面に戻った感じ。

2014年1月14日火曜日

消え行く大型黒点

黒点の連続観測は昨日で一区切りついたが、今日も晴れたので観測を続行した。明日、東京は雪の可能性があるとのことで、おそらく今日が連続観測の最後となりそうな気配強しである。

まずは本日の太陽黒点の様子から。


大型の黒点は西の縁へと去ってしまったようだ...と思いきや、よく見ると縁ギリギリのところに微かに大型黒点の名残りが見えるような気がする。今日より過去4日分の結果を重ねてみると、次のようになった。
数字は1,2,3,4はJan-11, Jan-12, Jan-13, Jan-14をそれぞれ表す。A群が大型黒点(肉眼黒点)で、A'群がその磁極対に相当する黒点。BとCは最近の小さめの黒点で、Bが短極型、Cが双極型。いちおう目印のためにラベルを貼った。

注目するのはA群で、やはり今日の画像データには、はっきりとは写っていないようだ。しかし、そのペアにあたるA'群については微かに本日も見える。Jan-11のA-A'の黒点対の間隔を考えれば、Aは今日裏面に「丁度」回ったばかりと判断してよいだろう。

一応昨日までの観測で、自転周期は13×2=26日という予想を立てたが、今日の結果を踏まえれば、より正確には27日であるということが納得できた。

2014年1月13日月曜日

黒点の連続観測:13日(+1)連続観測はとりあえず完了

大晦日から始まった太陽の連続観測は今日で14日目となった。一日も欠測無しに、1/2周期分を連続観測することができた!今までできそうでなかなかできなかったので嬉しい。しかもターゲットとなったのが、肉眼黒点となった久しぶりの大型の黒点。東縁から西縁まで綺麗にその動きを追うことができた。

ずっと比較暗合成で重ねてきたのだが、最終日の今日のみは「オーバーレイ」で重ねた。というのも、周辺減光のため、西縁に到達した黒点が比較暗では目立たなくなってしまったからだ。

1月1日には現れていなかった大型黒点が、1月2日に東縁に現れ、そして1月13日に西縁に到達したということは、半周期が13日ということになる。つまり太陽の自転周期は、この観測からは26日程度ということだ(昨日にも書いた)。

もしこの大型黒点の構造が安定しているのなら、もしかして13日後にまた地球側の表面に現れるのだろうか? 新たな興味が湧いてきたので、さらに観測を続けることにしよう。

2014年1月12日日曜日

チェックメイト!

昨日まで東京で観測し、今日からは信州に戻っての観測だが、どちらにおいても黒点観測はうまくいった。
黒点の位置も、この2、3日の平均位置より「南側」に沈み始め、太陽表面の曲率にしたがって裏側に回り始めたのがわかる。いよいよこの大型黒点とおさらばする時が近づいたようだ。

お正月以来(実は大晦日も)12日間連続で黒点観測できて、本当に面白かった。きっと明日が最後となり、明後日には表面から消えて裏側に回り込んでしまうだろう。この観測結果から、太陽の自転周期はおおよそ13日×2=26日ということになる。天文年鑑には、27.3日ほどとあるので、なかなかの結果が得られたと思う。

より精密な位置の計測から数値分析すればもう少し良い値がでるかもしれないが、いずれにせよ(少なくとも)12日間の連続データが手に入ったので、あとでユックリ分析することができる。天気予報によれば明日も明後日も晴れだというので、まずは最後までデータを取りきろう。

2014年1月10日金曜日

晴天そして太白内合

終日よく晴れた。朝起きて窓の外を見やると、真っ白な富士があった。その手前の箱根や丹沢、そして奥多摩の山地も雪化粧していてとても綺麗だった。昨日横浜や東京郊外でも降った雪は、山間部でまとまった降雪となっていたのだろう。

夕方の西空から金星(太白)のまばゆい光が消えた。太白は本日内合にて、しばらくは太陽の方向に重なって見えず。その後はこれまでの履歴を時間反転させたようにして、明け方の空に眩く輝くこととなる。春は曙というから、これから春先にかけてはよい観測対象なのかもしれぬ。

その一方で、夕方の東の空に現れたのが木星(歳星)である。先日衝を迎えたばかりで、非常に観測しやすい。これから春先にかけての宵は木星観測で忙しくなりそうだ。

黒点観測は正午に行った。ただ風が強く像がぶれてしまったと思う。いよいよ、大型黒点の周期も終盤に差し掛かったのがよく見て取れる。



半周期完結まで、残り3、4日となった。週末は晴れそうだから、勝負は月曜か?

2014年1月9日木曜日

山場を越えた!

一般の天気予報では、本日は曇り、雨、そして雪の予報となっていたため、黒点の連続観測も昨日までかと諦めていた(確かに今外では雪が舞っている...)。しかし昨晩遅くにGPV予報を確認したら、昼の短い時間に限り、ぽっかり雲に穴が空くという結果が出ていたので、それに願いの全てを託すことにした。日中はいろいろ用事や仕事もあるし、陽が出たら全ての作業を中断して撮る、チャンスは一回だけ、というつもりで朝を迎えた。

予報通り、朝、厚い雲で空は覆われていたが、昼に近づくにつれ、北のほうから青空のポケットが広がって来た!しかしまだ自分の真上の空には太陽の姿は見えない。時折、雲の隙間から顔を覗かせても、すぐに雲に覆われてしまう。焦らず最良のタイミングがくるまで、じっと待っていた。そして...お昼をちょっと回った頃、チャンスがやってきた。

大急ぎでカメラを三脚に取り付け、焦点を合わせ、撮影の準備。揺れるファインダー像が静かに落ち着くまで焦る心を抑えつつ待つ、待つ、待つ!20秒後、最初の一枚を取ることができた。大きな黒点が西側に移動しているのが確認できた。ピントもまあまあだ。そして60秒後に、2枚目を撮影できた! まもなくして太陽は雲に隠れ、この日は二度と現れなかった。若干雲がかかった写真となったが、なんとか許せる品質でほっと胸を撫で下ろす。この後、冷たい雨が降り始め、夕方には雪に変わり今に至る。明日は朝から晴れそうなので、安心して観測に臨めそうだ。

昨日で中心を突破したとするなら、あと4日で西の縁までたどり着くことができる。少なくとも現在の天気予報によれば、明日そして週末は晴れるでしょう、とのこと。果たしてうまくいくだろうか?

2014年1月8日水曜日

黒点連続観測:ついに一週間到達

天気予報やGPV予報に反して、今朝もお日様が青空の中に顔を出している。この後天気が崩れるとの予報もあるが、観測してしまえばこっちのもの。これで大台の一週間に載せることができた!周期が約28日(4週間)なので、太陽表面(地球側)の観測としてはこれで周期の半分の記録がそろったことになる。できればあと一日欲しいところだが。


今日より東京での観測なので、大気汚染のせいもあるかもしれないが、大型黒点の色が薄まっているように見える。さらに3つに分裂してきたようにも。今まで対を成していたもう一つの黒点は「群島」のほうに引き寄せられてペアとしての位置づけが弱くなって来た感じもする。

合成写真の方を見ると、順調に曲線を描いて移動している様子がわかる。

2014年1月7日火曜日

太陽黒点観測6日目:たぶん今日で最後

明日から雨の予報が出ている。そうとう冷たい雨になるそうで、雪になる可能性もあるようだ。ということで、本日が黒点連続観測の最終日となりそうな気配。かなり正面に回って来た上に、実際に広がっているように見える。

これまでの成果を重ねて見た。
今朝の観測は7:30頃、いつもより1時間程早い時間帯におこなった。
一時間違うと結構位置はずれるものなのだろうか?それとも、太陽の自転だけでなく、局所的な黒点自体の動きもあるのだろうか?なんとなく波打っているように見える....


追記:この日、大型黒点においてX級(大型ということ)の太陽フレアが爆発。地球へ影響が及んだ。特に国際宇宙ステーションに物資を補給する予定だったアンタレスロケットの打ち上げが延期となった。

2014年1月6日月曜日

月の軌道の離心率の計算

先ほどの観測データから、月の軌道の離心率を見積もってみた。

そもそも、月の大きさが季節によって変わるのは、月は地球の周りを楕円軌道に沿って運動しているからだ。実際には太陽からの重力の影響もあって、その軌道はきれいな楕円にはならないかもしれないが、大ざっぱには地球と月の2体問題と見なすことは可能だろう。楕円の長半径をa、短半径をbとすると、焦点fは

と表される。

次に地球と月の距離をRで表すとする。今興味があるのは、見かけの月の大きさが最大の時(スーパームーン)の距離R'と、最小の時の距離R''だが、このときの月の位置は楕円の長半径に相当する場所にあるはず。つまりR'+R'' = 2aが良い近似で成り立つとしてよいだろう。

月の半径をr、地球からみた月を見込む視角を2θとすれば、sinθ = r/Rの関係が成り立つ(高校の数学...)。θ<<1だろうから(つまり、月の半径より月の軌道半径の方がずっと大きいということ。実際、天文年鑑で調べると、r/R〜1.8×106 / 3.8× 108 〜 5×10-3 = 0.005 << 1)、θ = r/Rとしてよい(三角関数のテイラー展開...これは大学1年の数学)。今回の見かけの月の大きさの比は、この角度の比と見てよいので、θ' / θ'' = R'' / R' = 1.14(1.14という数字は観測結果より)、つまりR'' = 1.14R'。

上の2つの結果を組み合わせれば、R'/a = 2/2.14 = 1/1.07を得る。

ところで、月の位置が長半径上にあることから、f+R'=a, f+a=R''の関係も成り立つ。最初の式を(f/a) + (R'/a) = 1と変形すると、上の結果を代入して f/a = 1- (1/1.07) =0.07/1.07=0.0654...を得る。

さて、離心率eは

と定義されているので、焦点の定義式(一番最初の式)より、e=f/aであることがわかる。これは先ほど計算したばかりのもので0.0654...であった。つまり、私の観測から導かれた月の軌道の離心率は e=0.065程度であることになる。

天文年鑑で月の離心率を調べてみると 0.055程度だとある。つまり私の観測の相対誤差は約18%だった。ラフな観測、ラフなデータ処理の割にはまあまあじゃないだろうか?

追記:ふと思い出したのだが、スーパームーンと思って解析した画像データだが、実は当日は梅雨空に曇ってしまって撮影できず、前日雲間に顔を出した瞬間をなんとか撮影したものだった。上では半径を解析するときに月の側面部分を利用したのだが、これだと月齢14日程度の幅しかないから誤差が大きくなってしまう。このデータを利用するなら、月面の上下を利用しないと正確な値は取り込めないということだ。これを踏まえて分析し直すと、R'' = 1.12R'となり、若干小さめの比になった。このわずかな修正を取り込むと、再計算した離心率の値はe=0.057となり、相対誤差はわずか3.6%となった!この観測、なかなか精度が高くて我ながら驚いた。

追記2:そういえば、去る1月4日に地球は近日点に到達した。遠日点に到達するのは7月4日ださうだが、天文年鑑にはその距離が載っているので、上でやった計算をこれに当てはめてみると、R''=1.03R'となった。つまり、見かけの太陽の大きさの変化はわずか3%しかないということだ。離心率は0.015程度となり、これは月の軌道に比較すれば、ほぼ円軌道といってよい。しかし、この若干の差が計算できるとするならば、私の観測もなかなか捨てたものではない、ということになる。がんばって、この3%の変化を記録できるようチャレンジしてみよう!

2013年の満月の大きさの比較: 違いは12%

仙台市天文台のブログを見ていたら、2014年の月の大きさの変化についての記事があった。それによると、今年の「最小満月」は今月の16日だそう。

そういえば、昨年は6月23日にスーパームーンを撮影したのを思い出した。2013年の最小満月と比較しようと思い立ったはずで、その後は満月が訪れる度に撮影して記録していた。仙台市天文台のブログによれば2013年は12月17日の満月がそれにあたるという。慌ててデータを掘り返してみたら、よかった!ちゃんと撮影してあった...

結果は次の通り。
Jun.22: isoxxx, xxx sec,
Dec.17: iso200, 1/250 sec

たしかに一回り大きさが違う!gimpで数値的にも比べてみた。まずオリジナルの画像を重ね合わせ、円周の位置データを測定する。このデータを用いて月の半径を計算すると(このプログラムは太陽の黒点観測のために書いたもので、いつもは太陽の方向修正のための角度情報を算出するのに使っているが、同時に太陽の半径も計算できる)、その半径(直径でも同じことだが)は1.14倍1.12倍の違い(修正についてはこちらを参照)があるとの結果が出た。

2014年もこの研究を続けてみよう。まずは10日後の撮影を成功させる必要がある。それがうまく行けば、次は8月11日のスーパームーンが目標となる。昨年に比べれば、今年はどちらも天気が良さそうな季節にあたっているので、きっとうまくいくだろう!

2014年1月5日日曜日

太陽黒点観測の4日目

1月5日となる。ここまで今年2014年になってから黒点観測は「皆勤賞」だ。昨日は、朝方のみ晴れ、後はほとんど曇っていたので、早起きは三文の得、の意味を噛み締めている。今日も昼過ぎより曇るとの予報有り。しかし、浅間にせよ、蓼科にせよ付近の山は綺麗に見えているから、午後に天気が急に崩れるとは思えないのだが....

大型の黒点は順調に表側に周り込んで来ている。
大型黒点の周辺には群島のよう小さな黒点が散らばっているのがわかるし、大型黒点もペア(対)で生じているのがわかる。教科書によれば、N極S極の磁極対(双極対)だそうだ。これまでの軌道を重ねると

見事に黒点間隔が開いて来ているのがわかる。ガリレオが指摘したように、これこそが黒点が太陽表面にくっ付いていることの証なのだ!その変化率を見れば、極率や軸の傾きがわかるかも。

2014年1月4日土曜日

大きめ黒点の移動(前半):そして近日点通過(の12時間前)

太陽表面の東の縁に現れてから今日で3日目となる。合成して重ねて見た。
2日目、3日目の移動はよくわかるが、初日の黒点の形状はかなり変形していて(これは太陽の曲率のため、地球から見るとかなり斜めの角度をなしているから)、ちょっとどれが対応するかわかり難い。よくみると、直線的というより曲線を描いているように見える。アニメーションにした方がよくわかるかもしれない。

追記:この日の夜九時、地球は近日点に到達。太陽の見かけの大きさは一応最大となったはず。遠日点通過は7月4日になるとか。(私的メモ:この期間の太陽半径の平均はだいたい79.7 unit, オリジナルサイズをgimpで200%拡大したunit)

2014年1月3日金曜日

予想通り大型

一日経って太陽が自転し、昨日現れた「大きめらしい」黒点の詳細がよくわかるようになった。予想通りの大型黒点で、細かい黒点群も引き連れてくるようにみえる。正月に中心部分を占めていた「群島」は縁にかかって今日中には裏面へと消えていくだろう。
17個?

2014年1月2日木曜日

群島去って大型来るか?

元日の太陽黒点は、「群島」がバラバラとあるばかりで、とりたてて目立ったものは見られなかった。正月二日になり、群島が「西」の縁へ去りゆくと同時に、東の縁に大型の黒点が久しぶりに現れたように見える。ここ2週間ほどは、この黒点を中心に楽しめそうな気配。
15個?

観測機材(1)

観測機材のメモ。

まずは普段一番よく利用する組み合わせ。

追尾装置はCD-1、カメラはCanon EOS X4、レンズはCanon EF300mm。

太陽黒点の観測にはケンコーのND105フィルタを使用。

これは一昨年の金環食、および金星の日面通過の観測のために購入したもの。(たしか、金環食の直前に注文したら、品切れとか言われてなかなか入手できず、大変困った記憶がある。ND400とかND16とかを何枚も組み合わせてなんとか代用できないか検討したが、ギリギリのタイミングでND105が納品され胸を撫で下ろした...)